「来月の送別会、司会をお願いできるかな?」
上司や同僚から突然こう頼まれて、プレッシャーを感じていませんか?
送別会は、お世話になった方を送り出す大切な節目です。「グダグダな進行で空気を壊したくない」「失礼があったらどうしよう」「面白い企画なんて思いつかない」……そんな不安を抱えるのは当然のことです。
実際、20〜30代の若手社会人を対象にした忘年会の調査では、「もし幹事をする場合、不安がある」と答えた人が約84%にのぼるという結果も出ています。
店選びや会費の管理に加え、当日の進行や盛り上げ方まで任されることを考えると、幹事や司会にプレッシャーを感じるのは、ごく自然なことです。
しかし、安心してください。送別会の司会には、絶対に失敗しないための「型(テンプレート)」と、会場をしっかり温めるための「ツール」が存在します。
この記事では、数多くのイベントをサポートしてきた視点から、そのまま使える送別会司会用の台本・挨拶例文、失敗しない進行タイムスケジュール、そして参加者全員が楽しめる演出のコツを徹底解説します。
これを読めば、あなたの不安は「自信」に変わり、送別される主役にとっても、参加者にとっても、「送別会をやってよかった」と心から思える時間を実現できるはずです。
1. 送別会の司会が押さえるべき基本構成とタイムスケジュール【保存版】
送別会は、単なる飲み会ではなく、これまで一緒に働いてきた感謝とねぎらいを形にして伝える「最後のステージ」です。司会は、その時間がグダグダで終わってしまわないように、場の流れをデザインする役割を担っています。
送別会の成功は「段取り」で9割決まります。まずは全体像を把握しましょう。一般的な送別会は2時間(120分)で構成されることがほとんどです。
ここでは、最も標準的な「一次会(レストランや居酒屋、宴会場)」を想定したタイムスケジュールを紹介します。
基本のタイムテーブル(120分制)
時間 | 進行項目 | 司会の動き・ポイント |
|---|---|---|
00:00 | 開会の挨拶 | スタート宣言。主役の紹介。 |
00:05 | はじめの挨拶 | 上司や代表者による挨拶。 |
00:10 | 乾杯 | 乾杯の発声。ここから食事スタート。 |
00:15 | 歓談(食事) | BGMの音量を調整。主役への酌を促す。 |
00:45 | 余興・ゲーム | 重要! 会場の一体感を作る時間。 |
01:15 | プレゼント贈呈 | 花束や記念品の贈呈。 |
01:25 | 主役の挨拶 | 送別される方からのスピーチ。 |
01:40 | 締めの挨拶 | 役職者による締め(手締めなど)。 |
01:50 | 閉会・退場 | 二次会の案内、忘れ物確認。 |
進行のメリハリをつけるコツ
ダラダラとした飲み会にしないためには、「歓談」と「イベント(余興・挨拶)」の切り替えが重要です。
歓談中: 司会者はリラックスして食事をとってもOKですが、時計は常にチェックしましょう。
切り替え時: マイクの音量を上げるか、ベルなどを活用して注目を集めます。「それでは皆様、ご歓談中失礼いたします!」とハッキリした声で区切りをつけましょう。
2. そのまま使える!シーン別・司会台本とコメント例
ここでは、送別会の進行でそのまま使える司会コメント・挨拶例文を、シーン別にご紹介します。状況に合わせてアレンジしてご使用ください。
① 開会の挨拶
第一声は、会場の空気を決定づける重要なパートです。明るく、ハキハキとした声を意識しましょう。
【例文】
「皆様、本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
ただいまより、〇〇部(部署名)の送別会を始めさせていただきます。
本日の司会進行を務めさせていただきます、〇〇と申します。
不慣れな点もあるかと思いますが、主役の〇〇さんの門出を祝うため、精一杯務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!」
② 乾杯の挨拶(への振り)
乾杯の挨拶は、事前にお願いしておいた上司や先輩にバトンタッチします。
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【例文】
「それでは、乾杯の音頭に移らせていただきます。
乾杯のご発声は、〇〇部長にお願いしたいと思います。
〇〇部長、よろしくお願いいたします!」
(乾杯後)
「ありがとうございました!それでは皆様、お食事とお飲み物を楽しみながら、ご歓談ください。」
③ 余興・ゲーム導入
歓談で少し場が緩んだところで、再び注目を集めます。
【例文】
「皆様、お食事は進んでいらっしゃいますでしょうか?
ここで、本日お集まりいただいた皆様と、主役の〇〇さんとの思い出を振り返る『特別企画』をご用意いたしました!
全員参加型のゲームを行いますので、お手元のスマートフォンをご準備ください!」
④ プレゼント・花束贈呈
感動のクライマックスへ繋げるシーンです。BGMを少し感動的なものに切り替えると効果的です。
【例文】
「宴もたけなわではございますが、ここで、長年私たちを支えてくださった〇〇さんへ、感謝の気持ちを込めて記念品の贈呈を行いたいと思います。
贈呈役は、〇〇さんにお願いします。皆様、拍手でお迎えください!」
💡 ポイント: 贈呈役の方には、主役への感謝やエピソードを一言添えてもらうようお願いしておくと、より温かい雰囲気になります。
⑤ 締めの挨拶・閉会
最後はビシッと締めて、散会を促します。
【例文】
「名残惜しいところではございますが、お時間となりましたので、これにて送別会をお開きとさせていただきます。
〇〇さんの今後のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、皆様、盛大な拍手をお送りください!
本日は誠にありがとうございました!」
3. 会場が一体になる「余興・ゲーム」の選び方
送別会において、最も司会者の腕が試されるのが「余興・ゲーム」の時間です。
単なる飲み会で終わらせず、「良い送別会だったね」と言ってもらうためには、参加者全員が関われるコンテンツが必要です。
従来型ゲーム vs 参加型クイズ
これまでの定番だった「ビンゴ大会」や「パワーポイントでのクイズ」と、近年主流になりつつある「スマホ参加型クイズ」を比較してみましょう。
比較項目 | ビンゴ大会 | パワーポイントクイズ | スマホ参加型クイズ |
|---|---|---|---|
準備の手間 | 景品・カード購入が必要 | スライド作成・PC接続が大変 | Web上で完結・簡単 |
盛り上がり | リーチ待ちの時間が退屈 | 後ろの席から見えない | 手元で参加・全員主役 |
集計作業 | 目視確認が必要 | 手動集計でグダグダしがち | 自動集計・即結果発表 |
主役への焦点 | 運任せで主役に関係ない | 内容次第 | 主役にまつわるクイズが可能 |
なぜ「主役にまつわるクイズ」が推奨されるのか?
送別会の目的は、あくまで「主役を送り出すこと」です。
市販のビンゴゲームでは、主役の人柄やエピソードに触れる機会がありません。
一方、「〇〇さんの思い出の場所はどこでしょう?」「〇〇さんが入社当時にしてしまった失敗は?」といったオリジナルクイズを作成すれば、笑いと思い出話が自然と生まれ、会場全体が温かい空気に包まれます。
✅ おすすめのクイズテーマ例
主役の子供の頃の写真当てクイズ
主役が一番好きだった社食メニューは?
実は〇〇さんは××が得意である(〇か×か)
主役への一言メッセージ(匿名で集め、誰のメッセージか当てるクイズ)
主役の名言・名セリフ当てクイズ(「この言葉を言ったのは〇〇さん?」)
4. 司会者が気をつけるべきリスクと失敗回避のポイント
どれだけ準備しても、当日は予期せぬトラブルが起こり得ます。ここでは、よくある失敗パターンと対策を紹介します。
① 時間が足りなくなる(タイムオーバー)
最も多い失敗です。挨拶が長引いたり、ゲームの集計に手間取ったりして、最後の主役挨拶の時間が削られてしまうのは最悪のパターンです。対策としては、
挨拶をお願いする人には、事前に「3分程度で」と目安を伝えておく。
ゲームは「準備・撤収・集計」に時間がかからないものを選ぶ。
予備時間を10分程度スケジュールに組み込んでおく。
② 機材トラブル(マイク・映像が出ない)
PCとプロジェクターの接続がうまくいかない、マイクの電池が切れている、といったトラブルです。対策としては、
開始30分前には会場入りし、必ず接続テストを行う。
PCの変換アダプタや予備の電池を持参する。
「機材を使わないプランB」を一応考えておく(肉声で届く範囲で進行するなど)。
③ 内輪ネタで盛り下がる
一部の人しか知らないエピソードで盛り上がってしまい、他の参加者が置いてけぼりになるケースです。対策としては、
クイズや話題にするエピソードは、できるだけ多くの人が共感できるもの、あるいは「へぇ〜!」と驚けるものを選ぶ。
司会者が「これは〇〇プロジェクトの時の話ですね」と補足説明を入れる。
✅ 司会者向け最終チェックリスト
当日の朝、以下の項目をチェックしましょう。
進行表(タイムテーブル)は印刷しましたか?(スマホだけでなく紙もあると安心)
参加者リストと席次表は最新ですか?
挨拶を依頼する人の名前・役職の読み方は確認しましたか?
ゲームの景品や備品は揃っていますか?
会場のWi-Fi環境や機材接続は確認済みですか?
5. 準備時間を半分に!スマートな司会進行を実現する方法
ここまで、送別会の司会進行について解説してきましたが、「台本を作って、スライドを作って、景品を用意して……」と、準備の多さに圧倒されてしまった方もいるかもしれません。
特に忙しいビジネスパーソンにとって、通常業務と並行してこれらを準備するのは大きな負担です。
そこで提案したいのが、テクノロジーの活用です。
特に負担の大きい「余興・ゲーム」の準備と進行を、専用ツールに任せてみませんか?
パワーポイントよりも「Ennoshita」がおすすめな理由
結婚式二次会や企業イベントで多くの幹事様に利用されている「Ennoshita」は、送別会の司会者にとっても強力な味方になります。
テンプレートから簡単にクイズ作成: デザインやレイアウトに悩む必要はありません。問題を考えるだけで、テレビ番組のようなクイズ画面が完成します。
スマホ参加でスクリーン不要: 参加者はQRコードを読み込むだけ。後ろの席の人も手元のスマホで問題が見られるので、プロジェクターが見えにくい会場でも安心です。
集計・順位発表が全自動: これが最大のメリットです。「正解者は何人?」「誰が1位?」といった集計作業をシステムが瞬時に行います。司会者は結果画面を見ながら実況するだけでOK。グダグダする時間がゼロになります。
司会者の「余裕」が、良い会を作る
司会者が焦ってバタバタしていると、その緊張は参加者にも伝わります。
逆に、ツールを使って進行を自動化し、司会者が笑顔で主役や参加者とコミュニケーションを取る余裕があれば、会全体の雰囲気は格段に良くなります。
「Ennoshita」には、無料でお試しできるプランもあります。
まずは幹事メンバー内でのリハーサルとして、スマホを使ったクイズ大会を体験してみてください。
「これなら簡単だし、絶対盛り上がる!」と実感していただけるはずです。
最高の送別会にするために、賢くツールを使って、あなた自身も楽しめる司会進行を目指しましょう!
よくある質問(FAQ)
Q. 送別会の司会はどのくらいのトーン(堅め/フランク)で話すのが良いですか?
A. 主役との関係性と参加者層に合わせるのが基本です。 役職者や目上の方が多い送別会では丁寧な敬語をベースに、同期や後輩中心のカジュアルな場では少しフランクでもOK。ただし、送別会は「感謝とねぎらいの場」なので、笑いを取りにいくより「温かみのあるトーン」を意識しましょう。
Q. 同期や後輩など、司会者が主役より下の立場でも問題ありませんか?
A. 全く問題ありません。むしろ自然で良い場合もあります。 後輩が司会をすることで、主役へのリスペクトが伝わりますし、先輩社員も温かく見守る雰囲気になります。ただし、事前に台本をしっかり準備し、フォローしてくれる先輩を1人決めておくと安心です。
Q. 送別会の司会台本は、どこまで細かく書いておくべきですか?
A. 「開会」「乾杯紹介」「余興導入」「花束贈呈」「締め」の5シーンは、読み上げ原稿レベルで用意しましょう。 特に感動のクライマックスである「花束贈呈」「主役挨拶への振り」は言葉に詰まりやすいので、しっかり準備を。歓談中のつなぎは箇条書きメモ程度でOKです。