「今年の忘年会、司会を頼むよ」
上司からそう言われた瞬間、プレッシャーで胃が痛くなった経験はありませんか?
通常業務で忙しい中、台本を作り、当日の進行を管理し、さらに会場を盛り上げなければならない……。忘年会の幹事・司会は、まさに「縁の下の力持ち」ですが、その負担は計り知れません。
実際、東京商工リサーチの調査によると、2024年の忘年会実施率は約6割まで回復しています。久しぶりの開催で「絶対に失敗できない」という空気を感じている方も多いでしょう。しかし、安心してください。忘年会の司会には「成功の型」があります。
この記事では、司会初心者が抱える不安を解消するために、そのまま使える忘年会司会用の台本・挨拶例文から、忘年会の司会進行をスムーズにするコツ、予期せぬトラブルへの対処法までを網羅的に解説します。これを読めば、当日は自信を持ってマイクを握ることができるはずです。
1. 忘年会の司会が押さえておきたい役割と事前準備の「型」
忘年会は、一年間頑張ってきたメンバーをねぎらい、「今年もお疲れさまでした」と伝える大切な場です。だからこそ、ただ飲んで終わるのではなく、全員が笑って一年を締めくくれるような進行が求められます。
司会者の最大の役割は「面白いことを言うこと」ではありません。「会を滞りなく進行し、参加者が楽しめる雰囲気を作ること」です。まずはゴール設定と準備から始めましょう。
忘年会の「目的」を明確にする
企業の忘年会には、大きく分けて2つのパターンがあります。ここを履き違えると、司会のトーン&マナーがズレてしまいます。
項目 | フォーマル型(全社・取引先あり) | カジュアル型(部署・チーム単位) |
|---|---|---|
目的 | 1年の労い、業績報告、方針共有 | 親睦を深める、ストレス発散 |
雰囲気 | 厳粛、礼儀正しい | 賑やか、無礼講(節度は守る) |
司会の口調 | 「〜でございます」「皆様」 | 「〜です・ます」「皆さん」 |
重視点 | 時間厳守、役職順の挨拶 | 盛り上がり、参加者同士の交流 |
✅ 司会者が確認すべき事前チェックリスト
台本を作る前に、以下の項目を幹事チームと共有しましょう。
正確なタイムスケジュール(開始・終了・挨拶・歓談・ゲームの時間配分)
挨拶者のフルネームと役職(読み間違いは厳禁!)
乾杯・締めの挨拶担当者(事前に依頼済みか確認)
会場の設備(マイクの本数、プロジェクター接続、BGM操作)
NG事項の確認(下ネタ、特定の人のいじりなど、コンプライアンス観点)
2. 【シーン別】そのまま使える司会台本・挨拶例文
ここでは、最も汎用性の高い「ややフォーマル〜標準」な忘年会を想定した、司会進行用の挨拶・コメント例文を紹介します。状況に合わせてアレンジしてください。
① 開会の挨拶
第一声は、ハキハキと明るい声で会場の注目を集めます。
【台本例】
「皆様、本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
定刻となりましたので、ただいまより、株式会社〇〇 2025年度 忘年会を開催いたします。
本日、司会進行を務めさせていただきます、〇〇部の[自分の名前]です。
不慣れな点もあるかと存じますが、皆様に楽しんでいただけるよう精一杯務めますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
② 乾杯の挨拶への導入
乾杯の発声をお願いする上司を紹介します。役職とお名前を間違えないよう、手元のメモを必ず確認しましょう。
【台本例】
「それでは、開会にあたりまして、乾杯の音頭を〇〇部長にお願いしたいと思います。
皆様、お手元のグラスのご準備はよろしいでしょうか?
それでは〇〇部長、よろしくお願いいたします。」
③ 歓談中のつなぎ
乾杯後は歓談タイムです。放置せず、適度なタイミングでアナウンスを入れます。
【台本例】
「皆様、お食事とお飲み物は行き渡っておりますでしょうか。
しばらくの間、ご歓談をお楽しみください。
なお、本日はビュッフェ形式となっておりますので、ご自由にお取りください。」
④ 中締め・閉会の挨拶
宴もたけなわですが、終了の時間を告げる重要なパートです。
【台本例】
「宴もたけなわではございますが、そろそろお開きの時間が近づいてまいりました。
ここで、本日の会を締めるにあたり、〇〇専務よりご挨拶を頂戴したいと思います。
〇〇専務、よろしくお願いいたします。」
(挨拶・手締め終了後)
「〇〇専務、ありがとうございました。
以上をもちまして、2025年度 忘年会をお開きとさせていただきます。
今年一年、本当にお疲れさまでした。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました! お忘れ物のないよう、お気をつけてお帰りください。」
3. 会場が一体になる!ゲーム・余興の進行テクニック
忘年会の中盤、最も盛り上がる(そして司会が一番大変な)のが「ゲーム・余興」の時間です。
従来のアナログゲームの課題
ビンゴ大会やじゃんけん大会は定番ですが、司会者には以下のような負担がかかります。
時間が読めない: ビンゴがなかなか揃わず、予定時間をオーバーする。
集計が大変: 紙のクイズだと回収・採点に時間がかかり、間延びする。
後ろの席が見えない: プロジェクターやホワイトボードが見えず、後方の参加者が置いてけぼりになる。
デジタルツール活用で「全員参加」を作る
最近のトレンドは、参加者のスマートフォンを活用した参加型ゲームです。
例えば、「Ennoshita」のようなツールを使うと、以下のようなメリットがあります。
スマホで回答: QRコードを読み込むだけで参加可能。アプリのインストールは不要です。
リアルタイム集計: 誰が正解したか、現在の順位は誰かがスクリーンに即座に表示されます。
司会が楽になる: 「正解は...こちら!」といった演出がシステム側で用意されているため、司会は画面に合わせて喋るだけでプロのような進行が可能です。
【ゲーム進行の台本例(Ennoshita活用時)】
「さあ、ここからは豪華景品をかけた『社内クイズ大会』を行います!
皆様、お手元のスマートフォンで、前方のQRコードを読み込んでください。
……準備はいいですか? それでは第1問!
『当社の社長が、今年一番ハマった食べ物は次のうちどれでしょう?』
シンキングタイム、スタート!」
このように、会社やチームにまつわるオリジナルクイズを出題することで、一年間の出来事を振り返りながら、自然と笑いと一体感を生むことができます。
💡 具体的なゲームのアイデアをもっと知りたい方は、別記事「忘年会で盛り上がるゲーム15選」もあわせてご覧ください。
4. 失敗しないために知っておくべきリスクと対策
準備万端でも、当日は予期せぬことが起こります。よくある失敗パターンと対策を知っておきましょう。
① 時間が押してしまう(タイムオーバー)
最も多い失敗です。挨拶が長引いたり、ゲームが長引いたりします。
対策: 台本に「予備時間(バッファ)」を設けておく。
対策: 挨拶をお願いする際、「恐れ入りますが3分程度で」と事前に目安を伝えておく。
対策: ゲーム時間を短縮できるよう、問題数を調整可能な構成にしておく。
② 酔っ払って騒ぐ参加者への対応
お酒が入ると、ヤジを飛ばしたり、進行を妨げたりする人が出てくる可能性があります。
対策: 無理に注意すると空気が悪くなります。「〇〇さん、盛り上げていただきありがとうございます!後ほどマイク向けますね(笑)」と一度受け止めてから、進行に戻るスルースキルを持ちましょう。
対策: あまりに酷い場合は、事前に決めておいた「サポート役の幹事」にアイコンタクトを送り、個別に対応してもらいます。
③ 機材トラブル(マイクが入らない、映像が出ない)
対策: 開場前のリハーサルは必須です。
対策: 予備のマイクを用意しておく。
対策: 最悪の場合、地声で通るように「前の方に集まってください!」と誘導する度胸を持つことも大切です。
5. まとめ:ツールを活用してスマートな司会を目指そう
忘年会の司会は、準備が8割です。当日の不安を減らすために、以下のステップで進めていきましょう。
会の目的と雰囲気を把握する
タイムスケジュールと台本を作成する(本記事の例文を活用してください)
リスクを想定し、対策を練っておく
ゲームや余興は「ツール」に頼って負担を減らす
特にゲームパートは、司会者の腕だけで盛り上げるのは至難の業です。
パワーポイントの作成や集計作業に時間を費やすよりも、「Ennoshita」のようなクラウド型クイズサービスを活用することをおすすめします。
Ennoshitaを使えば、「スマホで参加」「自動集計」「ランキング発表」が誰でも簡単に実現でき、司会者は参加者とのコミュニケーションに集中できます。
「今年の忘年会、すごく盛り上がったね!」「司会、上手だったよ!」と評価されるために、ぜひ最新のツールも検討してみてください。
あなたの司会が、今年一番の思い出を作ることを応援しています!
よくある質問(FAQ)
Q. 忘年会の司会は、どのくらいフォーマルなトーンで話すのが良いですか?
A. 会の目的と参加者層に合わせるのが基本です。 役員や取引先が参加するフォーマルな忘年会では丁寧な敬語をベースに、部署・チーム単位のカジュアルな場では少し砕けたトーンでもOK。迷ったら「明るく・ハキハキ・丁寧」を意識すれば間違いありません。
Q. 役員や取引先が参加する忘年会でも、ゲームや余興を入れて大丈夫ですか?
A. むしろ入れた方が場が和みます。 ただし、罰ゲームや恥ずかしい系の余興は避け、「会社トリビアクイズ」「今年の出来事振り返りクイズ」など、品を保ちつつ全員が参加できるゲームを選びましょう。スマホ参加型なら、役職に関係なく平等に楽しめます。
Q. 忘年会の司会台本は、どこまで細かく書いておくべきですか?
A. 「開会」「乾杯紹介」「ゲーム導入」「中締め・閉会」の4シーンは読み上げ原稿レベルで用意しましょう。 特に開会と閉会は緊張で言葉が出てこなくなりやすいので、そのまま読めば進行できる台本があると安心です。歓談中のつなぎは箇条書きメモ程度でOKです。